東京地方裁判所 昭和51年(特わ)2963号 判決
主文
被告人を判示(一)の罪につき懲役一月に、同(二)の罪につき懲役二月にそれぞれに処する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、公安委員会の運転免許を有しない足助重範が自動車を運転する希望を有することを知るや、宮崎春雄、前田保彦、土屋哲雄、田中正二と共謀のうえ、昭和四九年一一月下旬ころ、東京都台東区東上野二丁目二二番八号精華印刷株式会社事務所において、右足助に対し、不正の手段で入手したフイリピン自動車協会発給にかかる右足助あての国際運転免許証一通を供与し、以後同人をして自動車運転資格を有するように装うことを得させ、同人が公安委員会の運転免許を受けないで
(一) 昭和五〇年一月二日午後三時ころ、埼玉県入間郡坂戸町中里二六七番地先路上において
(二) 同年二月八日午後一時ころ、東京都中央区築地一丁目一三番五号先路上において
いずれも普通乗用自動車を運転するのを容易にさせ、もつて右各無免許運転行為を幇助したものである。
(証拠の標目)(省略)
(確定裁判)
被告人は、昭和四八年四月一四日千葉地方裁判所で詐欺罪により懲役二年六月に処せられ、右裁判は昭和五〇年二月一日確定したものであつて、この事実は前科照会回答書によつて認める。
(法令の適用)
各事実につき刑法六〇条、六二条一項、道路交通法六四条、一一八条一項一号(各懲役刑選択)。各罪につき刑法六三条、六八条三号。(一)の罪につき同法四五条後段、五〇条。刑訴法一八一条一項但書。